政府はマイナンバーカードと健康保険証の一体化に向け、暗証番号が不要のカードを交付するそうですが、果たして作る意味はあるのでしょうか。
そこで今回は、マイナンバーカード暗証番号なしは作る意味があるのか、なりすましの危険性やメリット・デメリットを調査しました。
暗証番号なしのマイナンバーカードとは?
政府は2024年秋に、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に向け、暗証番号の設定が不要なカードを発行する方向だという。
その理由として、暗証番号の管理の煩雑さや認知症などで管理に不安がある人が、安心してカードを利用できるようにするためだそうです。
福祉施設などでは、入所者が頻繁に保険証を使うようですが、カード取得が難しい人が多いと言われています。
また、入所者から施設側が保険証を預かっている場合が多く、暗証番号の管理が煩雑であるという指摘もあるようです。
現在使用している健康保険証については、2024年秋に原則廃止を予定していることから、マイナンバーカードの交付を促進させるために「暗証番号なし」としたようです。
そして一体化させた後は「マイナ保険証」としての利用に限ることとし、顔認証や目視によって本人確認を行うという。
マイナンバーカード暗証番号なしは作る意味がある?
しかし、この暗証番号なしのマイナンバーカードは、政府サイトの「マイナポータル」や、住民票などの各種証明書のコンビニ交付など、暗証番号を必要とするサービスは利用できないそうです。
現時点での利活用は、保険証に限られてしまうわけで、しかも顔認証と目視で本人確認を行うことから、不安を感じる人も多く、結局今の保険証と同じで、運転免許証を本人確認書類として使い続けても問題はないという声も上がっています。
落とした場合のリスクを考えると、確かに顔認証付きのカードなら多少はリスクの軽減があると思いますが、保険証だけの利用を考えると費用対効果には疑問がわきます。
証明書発行にかかる費用や人件費も考えると、わざわざ現行保険証を廃止して、「マイナ保険証」にする意味がよくわかりません。
また、5年ごとの更新期間や認知症高齢者のカード紛失にかかる再発行で、証明写真を撮ったり役所への本人来庁を考えると現行のままでは困難があります。
暗証番号なしでなりすましの危険性は?
暗証番号なしのマイナンバーカードで、なりすましなどの危険性はないのでしょうか。
保険証を落とした場合のなりすましの悪用に関しては、カードに顔画像があることから、すぐには悪用はされないと考えます。
現行のものと比較すると、保険証を持っている人が「自分のだ」といえば、余程のことがない限り疑われることはありませんから、落とした場合の危険性は現在のものよりリスクは薄らぎます。
しかし、写真画像のすり替えや、極端な話で本人に似ている人が使っても通ってしまう可能性はあります。
なりすましを考える人は、どんなことをしてでも使えるように頭を働かせますから、今後保険証カードが別のものと紐づけされるときは怖いですね。
マイナンバーカード暗証番号なしまとめ
今回は、マイナンバーカード暗証番号なしは作る意味があるのか、なりすましの危険性やメリット・デメリットを見てきました。
「マイナンバーカード暗証番号なし」は、マイナンバーカードの管理に不安を感じる認知症の高齢者らを対象に、暗証番号の設定がなくても交付できるようにしたものです。
しかし、暗証番号を設定しないことから、各種証明書のコンビニ発行やマイナポータルへの利用は制限されます。
結局、保険証のみの利用になるわけですが、費用対効果を考えると現行のままでいいのではないかという声が多く見られます。