旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題では、悪質な寄付勧誘などで家庭崩壊などの状況があるため、解散命令請求を前提とした質問権行使が行われていますが、進展しているのでしょうか。
そこで今回は、旧統一教会の解散命令はいつになるのか、質問権行使で2023年現在の状況はどうなっているのかを見ていきたいと思います。
質問権行使で2023年現在の状況は?
統一教会への質問権はこれまでに6回行使され、延べ500項目以上の質問をしており、全ての回答を得たにもかかわらず、いまだに解散命令の請求にも至っていません。
このままずるずつと解散命令に至るものが見つからなければ、宗教法人の存続を認めざるを得ないという状況です。
旧統一教会問題については、2022年10月に解散命令請求を前提とした「質問権」の行使により、早急な解散命令が下されるものとして、国民の多くは期待していました。
宗教法人法の第81条の法令をもとに、解散命令の請求を求めるものです。
宗教法人法の第81条
「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと」あるいは「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと」に該当する事由があると認めたときは、裁判所が「所轄庁、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、その解散を命ずることができる」
当初岸田首相は、「解散命令の請求については慎重に判断する必要がある」として、慎重姿勢を崩しませんでした。
その結果、支持率低下につながったことから、急遽「報告徴収」「質問権」を活用した調査を実施することを表明しています。
統一教会では、これまでに不法行為を認める民事判決はあっても、刑法に違反する行為は認められていませんでした。
しかし、岸田首相は法令違反について「刑法のみに限る」から「民法の不法行為も入りうる」と方針転換をしています。
文部科学省は2022年11月に初めて質問権を行使し、教団に質問状を送っています。
そして、遅くても年度内には裁判所に解散命令請求ができると踏んでいたようです。
しかし、さらに2回目の質問権の行使、そして3日目と続き、気がつけば年度を跨いでいました。
「民法の不法行為」も入れて粗探しの範疇を広げていますが、全く先には進めず、令和5年度も7月に入っています。
この状況を繰り返しても宗教法人法に定める解散事由が見つからなければ、統一教会にお墨付きを与えて、堂々と法人運営ができることになってしまいます。
涙ながらに旧統一教会の不正を告発した「小川さゆりさん」に対しても示しがつかないだけでなく、今も旧統一教会の呪縛にあっている信者やその家族の思いはどうなるのでしょうか。
解散命令請求が進まないのは強制力がないから?
一向に進まない解散命令請求ですが、理由の一つには、宗教法人法の基づく質問権の行使は強制力がないことから限界があるという点です。
ウソをついても刑事罰にはならず、行政罰で10万円以下の過料を払えば済んでしまうという。
相手の同意の下にしか情報がもらえず、決定打に欠けるようです。
何度質問権を行使しても新たに分かることはなく、ただ時間を浪費するだけになるという見方もあります。
旧統一教会の解散命令請求はいつになる?
旧統一教会では、東京都多摩区に広大な土地を取得し、地元住民の反対運動をよそに、鉄筋5~6建ての研修施設を多摩市に伝達しています。
しかし、これには差し止める法的根拠がないという。
解散問題が一向に進まず、もたもたしてる間にも新たな教団施設が出来上がるという、一体政府は何をやっているのでしょうか。
多くの国民が、旧統一問題に関して解散すべきと考えているわけですが、肝心の政府の動きが遅すぎるため、本気で解散命令をするつもりがないと思われても仕方ないですね。
ジャーナリスト・鈴木エイト氏は、文化庁が解散命令請求を視野に、宗教法人法に基づいて進める質問権行使については「夏にも解散命令請求が出ると見ている」と話しています。
旧統一教会の解散命令まとめ
今回は、旧統一教会の解散命令はいつになるのか、質問権行使で2023年現在の状況はどうなっているのかを見てきました。
旧統一教会の解散命令の請求については質問権の行使により、年度末(2023年3月)までには出ると予想していたようですが、質問権の行使の回数を重ねても一向に先が見えません。
今後の成り行きに注視していきたいですが、旧統一教会の運営にお墨付きを与えるのだけはやめてほしいですね。